9/04/2023

悪夢

 悪夢をみた。

 時に悪夢は、忘れることでしか乗り越えられなかった嫌な経験、考え、当時の気持ちが、まだ心の深層で渦巻いていることに気付かせてくれる。

 新しい惨事の記憶はまだ鮮明で、近寄り難い。

 いまはもう一度、忘れるしかない。

 でも幾つかはそろそろ、教訓や自虐的な笑い話に変えることができるかも……と、思って触ったら、傷が開いて血が吹き出したり。

 そうやって、忘れては思いだすことを繰り返し、嫌な思い出を少しずつ溶かしてゆく。いつしかその跡には、穴が残る。

 心の穴は、『いまの幸せ』で蓋をしてあげるしかない。

 心は穴ぼこだらけだ。だからこそ、気取らぬ日常の何でもないことに幸せを感じなければ、間に合わない。

 の、かもね。

 今朝の悪夢と、昨日の友達の笑顔を思いだしつつ。そんなことを考えました。

7/30/2023

散歩②『耳をすませば』の聖地

 せっかく住んでいるんだから地域を活かそう。と、いうことで始めたご近所散策の第二段。今日はジブリの『耳をすませば』というアニメの舞台のモデルとなった聖蹟桜ヶ丘いろは坂通りを歩いてみました。

 スタート地点は聖蹟桜ヶ丘駅西口。こんな感じのガイドマップと『青春のポスト』があります。『青春のポスト』は郵便ポストではありません。訪れた方が自分の夢や目標を書いて投函し、夢をかなえたらその報告を再び投函する、というシステム。
ポストはミニチュアのようになっており、興味がある方は小窓から中を覗いてみてください。

ポストを左手にして立つと目の前に交差点があります。そのまま横断歩道を渡って直進すると『いろは坂』方面へ向かうことができます。

ラスカルいた。

少し進むと左手にファミリーマートが見えます。ファミリーマート入口脇で『散策マップ』が無料で配布されていますので、入手しましょう。
なお、いろは坂に入ってしまうと自販機などがありません。必要な方はこちらで水分補給と、トイレも済ませておいた方が良いかと思います。

そのまま直進し、大栗川を渡ります。

次の散歩は大栗川添いの遊歩道を歩いてみようかな。とても綺麗に整備されており、水際へ降りられる階段もところどころに設置されています。

大栗川を渡るといよいよ『いろは坂』の入り口。ここからはひたすら、登りが続きます。サイクリングの人気スポットのようで、多くのロードバイク(で、あってるのかな?自転車は詳しくないのでわかりません)を見かけました。

ひたすら登ってゆくと、二匹目のラスカル。
このラスカルが居るところに階段がありますが、聖地巡りをするのであればここは登りません。最終的には同じ場所へ到着できますが住宅街へ入ってしまいますので、もう少し直進します。
こちらは登らずに直進。

坂道をがんばって登ってゆくと、いよいよ『いろは坂』が本性を現します。
急勾配急カーブ。バイクで走るぶんには気持ちがよいのですが、炎天下に歩くのは遠慮しておきたいところです。
僕が『耳をすませば』を観たのはかなり前で、ジブリファンという訳でもなく、内容はおぼろげにしか覚えていないのですが、とにかく坂や階段がたくさん出てきて、見晴らしのよい景色が印象的だったと記憶しています(雑だなぁ笑)。そのままの雰囲気を味わえるのではないかと。
途中から道沿いの歩道をはずれて階段を登ります。見通しの悪いカーブの先の横断歩道を幾つも渡ることになります。自転車や車には十分ご注意ください。

最後の階段はなかなか手ごわい。長い階段を登り切ったのころにアニメにでてきた神社のモデル、金比羅神社があります(写真がうまく撮れていませんでした……)。

いろは坂を登り切った先に豪邸が立ち並ぶ住宅街があります。
僕的に普段なかなか見ることのできない立派な御屋敷を拝見できてかなり満足。
ところどころとても眺望の良い場所があり、思わず足を止めてしまいます。
いい町ですね……雪が降るとかなり大変そうですが。

本日のゴール地点。ロータリーです。
あまり寄り道せずにサクサクっと歩けば駅から30分ほどでしょうか。もっと時間をかけてアニメ聖地を探してみたり、景色が良いスポットをのんびり巡るのも良いかもしれません。
まぁ、自宅の目の前だと、かえってそういうことはやらないですよね(笑。

 と、いう訳で。いろは坂は僕が『市役所に行くときに通る道』で、聖蹟桜ヶ丘に引っ越す前も何度か通ったことがありますので、今更と感じつつ、実は歩いて登るのは初めてでした。
 いつも『ここを歩いて登るのは嫌だなぁ』と思いつつ通っていたのですが、実際に歩いてみるとそこまで辛くもなく(ジム通いの成果か?)、バイクでは見落としていた景色を幾つも発見することができました。
 すぐそばにある少し特別な場所。非日常を味わえる場所を見つけることができたのは、とても大きな成果でした。でも、暑い時期にはあまり近寄りたくないので、次は秋にでも、また。

7/29/2023

マキネッタ

 

 最近のモーニングコーヒーはドリップが半分、マキネッタがもう半分、な感じです。

 半々といっても交互に1日ずつというわけではなく、豆のまま買ってきたらそれが切れるまでは手挽きでドリップ。切れたら、今度はお店で細く挽いてもらって暫くマキネッタが続く……というルーチンです。

 濃いコーヒーが好きで、デロンギのエスプレッソメーカー(美味しいし楽ちん、との噂)が気になっているのですが、あまりキッチンに大きなモノを置きたくなくて、マキネッタを使ってます。

 使っているのはビアレッティのモカエキスプレスとブリッカ(写真)。

 それぞれお味の方は……。

 あのう、僕、コーヒーに関しては器具に若干のこだわりがある一方で、口に入れる方は豆どころか味へのこだわりがまるでなく。『濃いぃコーヒー』の味がすればそれでokなので、レビュー的なものは控えておきます。

 ただ、いくらこだわりがなく、それぞれ同じ『濃い感じのコーヒー』とはいえ、エスプレッソとマキネッタで抽出したコーヒーがまるで別物であることはわかります。個人的にはエスプレッソは比較的澄んで尖った感じの味わい。マキネッタは色々と雑味が強い印象です。エスプレッソよりも、マキネッタの方が好みが別れるタイプの味と思われます。

 このへん、豆や挽きかたなどをコントロールすることによって変わるとは思うのですが、今のところ研究する気はゼロです。

 ならばいっそ、サイズの問題には目をつぶりデロンギを買ってしまった方が楽に美味しく朝のひとときを過ごせそうなのですが……うむ。僕はやっぱりマキネッタを選びそう。

 この佇まいと、ひと手間かかる感覚。忙しい朝のひとときに、こいつと付き合うにはちょっとした不便を強いられるのですが――そんなアナログなものが、僕は好きなのかもしれません。

7/27/2023

成功と失敗

 『成功する前に諦めたけど成功した人』を見たことはないし、仮にそういう人が居たとしても、その方法に再現性はないと思う。

 てゆーか、そんな方法に再現性があったら怖い。

 一方で、諦めないのに成功しない人は多い。

 そういう人の話をよくよく聞いて観察してみると、成功の定義と努力の方向がズレてるように思えることが多い。

 そして厄介なことに、たとえ本人がそのズレに薄々気付いていたとしても、誰かに明に指摘されても、その『手段と目標の方向性のズレ』が是正されることはほぼない。

 何故かというと、

『俺はこういう手段でこうなるんだ!』

 という、ズレた手段と目標がセットになった決意の固さこそが、彼が諦めぬ原動力になっているからだ。

 更に観察していると、そんなパターンに陥ってる人は、いつしか『絶対に出来ない理由』を積み上げて残念だが諦ざるを得ない、誰かに説明するための、正当的なストーリーを作りがちだ。

 確かに、努力すればするほど差が開いてゆく『手段と目的のズレ』というジレンマに苦悶するよりも、いっそ諦めてしまった方がどれほど楽と感じるかは容易に想像できるし、プライドを守りたい気持ちもわかる。

 ――やがて彼は、成功をアキラメる。

 アキラメた自分の心が痛まぬように、いつしかアキラメた者たちの集う輪のなかに伍し、失敗の肯定に満ちた温い言葉にうずもれてゆく。

 その輪の中では、己を傷つけることとなる『成功に向けて前向きに取り組む言葉』はタブーであり、失敗こそが常態であり、更には成功であると定義されているのだ。

 だが、そこでは止まらない。

 その歪んだ甘美に満ちたアキラメの世界を守るために、輪の者たちは『アキラメヌ者』を呪うようになる。

 その呪いの言葉は次々と、戸惑いながら挑み続ける『アキラメヌ者』を捕らえ、決して成功することのない闇の領域へと沈めてゆく。

 その力は徐々に増してゆく。

 しかし、闇に埋もれれば埋もれるほど、本来の自分が目指していた『成功』が彼には輝いて見える。その美しい輝きに、彼は目を奪われずには居られないのだ。

 だから彼は――


 ――と言う感じの話を思いつきました。いつか書くかも。

7/24/2023

散歩①

 引っ越してから8か月も経つのに自宅~駅周辺以外の開拓がぜんぜん進んでない状態でした。
 まぁ、駅周りがなかなか充実している町の駅近物件に越したのでそうなるのも仕方ないのかも。部屋を出て5、6分も歩けば百貨店もビックカメラもスポーツジムもブックオフもアニメイトもスタバもケンタもフレッシュネスバーガーもミスドも松屋もゴディバもリンツもありますし、電車に乗れば新宿まで乗り換えなしで30分ほどで到着。こうなるとなかなか、行動範囲を広げる気にはなりません。
 ですがやっぱり。せっかくそこに住んでいるのですから、地域を使いこなさないのはもったいない。
 ということで、自宅周辺をあちこちお散歩してみることにしました。

 まずは、まだ歩いたことがない多摩川方面へ。

家から通りに出ると目の前にそびえ立つタワマン。
以前はタワマンへの憧れもあり、東京の夜景を見下ろせるマンションに住んだりもしましたが、例の地震以降はまったく興味が湧かず今では低層派です。

聖蹟桜ヶ丘駅近辺。日常+αの買い物は十二分に出来るのですが、ややこじんまりとしている印象。もう少し若者向けの娯楽や古着屋なんかが充実していればもっともっと流行りそうな気がします。

駅裏。駅周辺の街並みは整備されてて綺麗。

アッという間に多摩川到着。駅周りはそこそこ栄えているのに徒歩数分で自然(奥多摩方面と比べれば自然と言うほど自然じゃないかもだけど)が目の前に広がる立地はなかなか魅力的……今までぜんぜん活かせてなかったけど。
サイクリングコースもあり、ジョギングにはもってこいと思うのですが、昨今の暑さのなか日陰のない河原を走り続けるのは熱中症的にアレな感じ。
電車の高架下にはお約束どおり、サックスを練習している人が居ました。

多摩川沿いを歩き駅前に続く大通りへ抜ると、少し引っ込んだ所に川の流れる公園を見つけました。こういうの、子供たち大喜びだろうなぁ。葉っぱの舟を流して競争とか、やりたいです。すでに夏休みに入っていると思われるのですが、人影はありませんでした。

公園脇のお社。九頭龍神社でお参り。
自宅から小一時間で多摩川方面をぐるっと一周。部屋に籠って動画ばかり見ているよりも、刺激は少ないけどちょっと楽しく、新しい出会いもありました。暑かったけど。
次は近所にあるジブリ的な聖地方面へ足を運んでみようかなと思います。

ではでは。

7/22/2023

待ち人なかなか来たらず

  持病の治療薬の副作用で視神経がまーまーやられてしまい、ただでさえ危なっかしい乗り方をしていたバイクが更に危険が危ない感じになったので『だったら潔く降りるべし』と、決断をしたのが9年前。

 コロナの自閉モードに耐え切れず『このまま籠っていると死ぬ』と思い詰め、『バイクは降りたけど原付は降りていない』と見苦しい言い訳をならべてカブに乗り始めたのが昨年、2022年。

 念のため事前に目の精密検査を受けたのだけど、法律的にも医師的にも運転に支障なしとのこと――付き合いの長い眼科医が『バイクが危ないとゆーか、おめーの場合は視神経以前の問題』とぼやいていたのが少々気になりますが。

 まぁ、そんな感じで、僕はリターン(出戻り)ライダーとなったわけです。


 えぇ。最初は『先っぽだけ』と思っていたんですよ。


 慣れないノークラ4速のカブに跨って近所をうろつきまわるだけ、の、はずが、気が付いたら奥多摩周遊を走っていました。気が付いたら道志みちを走り今川峠を走り石廊崎を巡り――気が付いたら南伊豆でキャンプツーリングしてました。


 そこまで、リターンから僅か2、3ヵ月。


 邂逅は心の"そこ"が渇いていることを気づかせ、禁断症状の中毒者が身の内側に擦り込む勢いで劇物と交わるが如く、振り返るとどーかしちゃっている勢いで、僕はバイク&キャンプの世界にリターンしていきました。


 そして、気づいたら――大型バイク買ってたーヾ(*´∀`*)ノ


 2023年7月22日現在、納車待ち。

 ショップ店員さんの『早ければ7末には』の言葉を過剰に期待して、ソワソワしながら待ち続け、いや、待ちきれずに昨日電話してみたのですが、どうやら納車は8月になってしまいそう。

 待ち人なかなか来たらず。

 ここ最近、多少大きな買い物やイベントにも子供の頃のようなワクワクは感じなくなりつつあったのですが、久しぶりに味わう『じれったさと嬉しさがマゼコゼとなった感覚』に焦がれる自分を、少し離れたところから観察し、悪いもんじゃないなと思える程度に、僕もいつしか大人になっていました。

 巡る夏に時の重みを感じつつ、新しい相棒と過ごす日々が楽しみです。

7/15/2023

スポーツジムへ通い始めました

  筋トレの中毒性 vs ジム通いの三日坊主。

 今までは早々に三日坊主へ軍配が上がる感じ……だったのですが、今回は体を動かさないとムズムズしてくるまでの期間が短く、続きそうな気配がしています。

 自宅から徒歩5、6分の距離にスポーツジムが3つあり、あんまりガチじゃない、自分に合った感じのジムを選べたのも良かったのかも。

 そして、今回は効果が出るのが早かったのもモチベが上がる要因の一つでした。テレワークで鈍っていたからでしょうか? 元々ケッコーな体育会系で、あんまり何もしなくてもそこそこ筋肉質&腹筋も微妙に割れている感じの体つき、なのですが、それでもやっぱり長年ノーケアだった体は色々と緩んでおりました。その体が日々引き締まってゆくのを実感できるのは、なかなか気分が良いものです。

 こうなると『折角だから食事も気を付けて』とか、『遊歩道が近いのだからジョギングも』などと、プラス連鎖的な欲が出てきて、エクササイズ&健康がちょっとしたマイブームになっています。

 ……と、まぁ。

 事の序盤に盛り上がるのは悪いことではないと思うのですが、ブームである内はまだまだ。これが何気ない日常となって初めて『三日坊主に勝てた』と言えるのでしょうね。

 これから何かと誘惑が多い季節。どうなりますやら。

悪夢

 悪夢をみた。  時に悪夢は、忘れることでしか乗り越えられなかった嫌な経験、考え、当時の気持ちが、まだ心の深層で渦巻いていることに気付かせてくれる。  新しい惨事の記憶はまだ鮮明で、近寄り難い。  いまはもう一度、忘れるしかない。  でも幾つかはそろそろ、教訓や自虐的な笑い話に変...